ツァイガルニク効果

ツァイガルニク効果とは

達成できた事柄より、達成できていない、中断している事柄のほうがより記憶に残り、気になってしまう現象。

心理的リアクタンスが高まるほど起こりやすいとされている。

心理的リアクタンスとは、

自分の行動が制限されると、より行いたいとの心理的反発が生まれること。

考察

タスクを達成すると、達成感が得られるとともにドーパミン(幸せホルモン)が分泌される。
タスクが達成されず、中断しているのは、ストレス、不快な状態である。
タスクへの欲求、必要性、緊急性が高いほど、ストレスも強くなると思われる。
それを他者や状況に強いられれば猶更である。

また、脳は中断している間もタスクを終了するまでは、タスクを実行しろという命令が生きているので、 そのために必要な情報を 留めておかなければならず負荷がかかっている。これもストレス。

タスクが中断されたストレスを解消するには、タスクを達成するしかない。
これが行動への動機、モチベーションとなる。

達成されなければ、もうそのタスクは、達成しなくてよいとの判断がされるまでは、ストレスを
受け続けるのではないか。報酬は得られずストレスだけが蓄積する。

メリットとして
モチベーション維持
生産性の向上
マーケティング効果 が挙げられている。

モチベーションが維持されるから生産性も上がるということだろうか?
何をしていてもそのことがずーっと頭に引っかかっていてスッキリしない・・・かなりのストレス
で、脳に常に負荷がかかっている状態なので、それは早く解消したくなるだろう。
報酬より苦痛を避けたいというほうが強いらしいし、これが主な作用だろうか。

蛇の生殺し・・・物事を中途半端な状態にして決着をつけないままで苦しめること

先延ばしにしてなかなかタスクに手をつけられないときは、タスクを細分化して簡単な作業から始めるといいらしい。始めてみないとわからないこともあるので、始める前より具体的な実行計画が見えてくるし、先延ばしによるストレスから解放される。やらざるを得ないことは、ツァイガルニク効果を利用するべきだ。

また、タスクが中断している間も脳が休まずタスクを続けていれば作業時間あたりの生産性は上がっているように見えるのではないか。
集中力が切れてタスクを中断している場合でも、タスクのことを考えていれば脳が休めずに
集中力はあまり回復せず、中断ストレスに加えて、中断したことによる「再開するためのタスク」も増えており、どれくらい生産性が上がるのかは疑問だ。また、必要なタスクをやり忘れたり、逆に重複して行ったりしてしまうリスクも上がるのではないか。中途半端な状態で中断するよりもキリのいいところで終わらせて、再開するとき、何から始めるか段取りしておくほうがいいように思う。 
そして休憩中は瞑想でもすれば脳を休めることができるのではないか。

マーケティングでは集客や購入促進に使われている。
「詳細はこちらから」など情報を小出しにして続きが気になるツァイガルニク効果を利用
して、客を誘導しているという。

記事の見出しや、本のタイトル、テレビCM、クイズ番組、ドラマなどあらゆるところで使われているようだ。

しかし、使う側は効果を熟知しているだろうが、使われる側は誘導されていることにどれくらい
気付いているだろうか?ツァイガルニク効果という単語も知らないのがほとんどではないだろうか。

釣りタイトルや大げさな表現で騙された経験は誰しもあるだろう。

ステマ規制でPR表記が義務付けられたが、誘導する段階には適用されないのだろうか?
知らずに誘導された先がセールスだったり、結局知りたい情報を得るには会員登録が必要だったり
することもあるようだが。それがわかっていたら始めから読まないのに時間を無駄にされたというような・・・

見てしまえば効果は発動し、誘導されなければ受けるのはストレスだけなので、
悪質な誘導をするメディアには触れないようにしたり、限られた集中力を消耗しないために情報自体を断捨離する必要があるかもしれない。

そして忘れてならないのは、このストレスが解消されてドーパミンが出るという一連のプロセスに
おそらく依存性があるということだ。



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