エビングハウスの忘却曲線

エビングハウスの忘却曲線とは?


ドイツの心理学者エビングハウス著『記憶について : 実験心理学への貢献』(1885年出版)より。

実験法:エビングハウスは、自ら「子音・母音・子音」から成り立つ無意味な音節(rit,pek,tas,…etc)を記憶し、その再生率を調べた。

節約率とは、一度記憶した内容を再び完全に記憶し直すまでに必要な時間(または回数)をどれくらい節約できたかを表す割合である。

初めに10分で覚えた事を再度覚えるのに4.2分かかった時の節約率は58%.
単語を10個覚えたうち、節約率58%だと4.2個忘れているというわけではないという。

考察

やはり気になるのは縦軸が記憶量ではなく、節約率であること。
記憶しているか忘れたかは、100か0かになってしまうので、その間のどれくらい記憶に残っているか
を計測可能にするための方法なのかもしれない。そして時間とともに忘却が起こるプロセスが可視化
されている。記憶力の良し悪しに関わりなく同様の曲線を描くのかもしれない。

記銘(記憶する)、保持(情報を保存)、想起(思い出す)、忘却(記憶を忘れる)
復唱(リハーサル 記憶するべき項目を何度も唱える)

記銘してから1日で急激に忘却が起こり、次第に緩やかになる。
記銘した情報は1か月後も保持されている。
復習するごとに忘却は緩やかになり、定着率が上がる。

無意味つづりは関連のある情報や以前の記憶を排除するためだろうか?
これは無意味な情報ではなく、少なくとも「実験のために覚える必要がある」という意味を持っている。意味のない情報は記銘されないし、また、想起するための指定はできないのではないか?
新しいことを覚える時はこれに近いだろうか。

何をもって記銘したと判定しているのか、主観なのか正確な時間がわかるのか不明だ。

記銘するために必要なのは、時間なのか、復唱の回数なのか、どちらが効率がいいのか不明。

節約率が58%のとき、58%保持されていて42%忘却したと言ってはいけないのか?

保持している記憶を想起できるか否かは節約率と関係があるのか?

長期記憶に移行させるためには、どれくらい時間をあけて、何回復習するべきか?
長期記憶に移行させるには復唱だけでなく時間も必要か?
時間経過によって復習する労力は違ってくるが、記憶を定着させる成果は同じなのか?
それなら節約率が高いうちに復習したほうが効率は良いことになる。

一人で行った実験の客観性、実験者効果(実験者の持つ期待が、実験に与える影響)はどうか?

グラフを見たことがある程度で分かった気になっていたがほとんどわかってなかった。
専門的に心理学を勉強していないと正しくは理解できないのかもしれない。
(なお、ネットの情報のみでの考察)

エビングハウスは、記憶に関する実験的研究の先駆者で、当時の常識では無理と思われていたが、実験によってより高次な精神的過程が実際に研究できることを明快に示した、とされている。(wiki)

補足

ウォータールー大学の忘却曲線

1日目に1時間の講義 その後の記憶量の推移
2日目に10分の復習でほぼ復元
7日目に5分の復習でほぼ復元
30日目に2~4分の復習でほぼ復元 したという

復習しなければ急激に忘却が起こるが、復習することで高い保持率を維持できる。
1時間の講義の内容は謎だが、ごくごく短時間で十分な復習効果があるようだ。




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